試合結果詳細

【ぬかるみの約束】

清滝BBC、雨明けのグラウンドで、つなぎきった10の軌跡。

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⚾️1回表──「始まったけど、始まってない。」

朝まで降っていた雨が嘘のように晴れた。
でも、グラウンドはぬかるみ。足が沈む。ボールも跳ねない。

「試合あるん？」「こんなん無理やろ」
誰もがそう思ってた。
でも、グラウンドに立った。清滝BBCが、立った。

1番・高橋。
チームを牽引する立場として、立ち上がりに勢いをつけたい場面。
しかしバットは湿り、あっさりと打ち取られる。

2番・寺西。
鋭いスイングから放たれた打球はセンターへ一直線。
「抜けるか──！」という期待を一瞬抱かせたが、相手センターが俊足で追いつく。
“いい当たり”であることと、“出塁”は別物。 それを思い知らされる内容。

そして3番・磯谷。
淡々とした立ち上がりを打破してくれるかと思いきや、こちらも打ち取られてしまい、
初回の攻撃は三者凡退で終わる。

◆1回裏──泥と誤算と立ち上がり

マウンドには先発・酒井。
バッテリーを組むのは、扇の要・りん。
ぬかるんだ土と、少し湿った空気──そんな中、試合は静かに進んでいく…かに思われた。

しかし、先頭打者がしぶとい。
酒井の投球は決して悪くない。だが、相手の粘りはそれを上回る。
1球、また1球……最後は粘り勝ちのファーボール。
ベンチに小さな動揺が走る。

続く2番はサードゴロ。
「よし！」という声が飛ぶ。だが、その直後──
サードからの送球、受けたのはファースト・モリシー（森下）。
…ポロリ。
ぬかるみの影響か、それともほんのわずかなタイミングのズレか。
ボールはこぼれ、走者は生き残る。

嫌な流れは止まらない。
四球で走者をためた直後、3番打者にセンターへ痛烈なタイムリーヒット。
この球足、このコース。守備も防ぎようがなかった。
この回、清滝は3点のビハインドを抱えてしまう。

◆2回表──ぬかるみの逆襲、始まる。

静かに、でも確実に火は点いた。

先頭・4番の酒井。
セカンドへの鋭い打球──バウンドが乱れたか、セカンドが弾く。カバーに入ったショートもさらに弾き、
思わぬかたちで出塁成功。
「ラッキー！」、ベンチに明るい空気が戻る。

続く5番・森下（モリシー）。
腰の入ったスイングで臨むも、惜しくも三振。
内容は悪くない。次に繋がる振りだった。

そして6番・助っ人。
フルスイングから放たれた打球は、はるか彼方へ。
しかし……
上空に張られた棒球防止ネットにカツンッと当たり、ファウル判定。
「あれがなければ、ホームランやったやろ」
その場にいた誰もがそう思った。
惜しくもここで2アウト目。

だが、ここからが本番だった。

まずは、8番・りん。
気迫のこもった初球──
デッドボール！
「ナイス！」と叫ぶ声と、「大丈夫か！？」の心配が交錯する中、りんは無言で1塁へ。
粘りが、繋がりが、生まれはじめる。

続く9番・助っ人（52歳）。
年齢なんて関係ない。
フルスイングでファウルを連発。
ファウル、ファウル、ファウル…そのたびに沸き立つベンチ。
最後は、しっかりボールを見極めて押し出しフォアボール！
ついに1点を返した！

そして、回ってきたのは1番・高橋。
2アウト満塁。ここで仕留めれば、一気に試合を振り出しに戻せる場面。

──振り抜いた。
打球は右中間へ！
2人のランナーが帰ってくる！！
逆転はならずとも、3対3の同点！

さらに、2番・寺西も落ち着いてフォアボールでつなぐ。
2アウト満塁のまま、逆転機が続く。

打席は3番・磯谷。
だが、ここで変化球が牙をむいた。
予期せぬボールに、反応が遅れる。
半端なスイングになり、凡退。

だが、それでいい。
清滝BBC、完全同点。3対3。

◆2回裏──崩れかけた試合、磯谷が救った。

同点に追いついた直後の2回裏。
ここをどう守るかで、今日の流れが決まる──そんな空気が清滝ベンチに漂っていた。

先頭は8番バッター。
打球は、ショート・磯谷の前に転がるゆるいゴロ。
一見、何でもない打球に見えたが、ぬかるみのせいかバウンドが合わない。
磯谷の足が一歩止まる。
捕って投げるだけ──のはずが、微妙なズレが“何かヤバい”を予感させる。
ランナーは出塁。じわじわと空気が重くなる。

続く打者は、打順が先頭に返っての1番。
ここで浴びたのが、センター方向への強烈な一打。
二塁打だったか、ヒットだったか──記憶も曖昧になるほどのインパクトある当たりだった。
これであっさり再びリードを許す。

それでも、清滝の守備陣は崩れない。
三振、そして三塁ゴロと、なんとか2アウトまで漕ぎつけた。

だが、3番打者。
またも強烈な当たり。
さらにヒットが続き、フォアボールが重なり……流れが完全に相手へ傾く。

ここでマウンドの酒井は交代。
失点はこの回すでに3点目。
しかも、ランナーは満塁。

ベンチの決断はこうだった。
• 磯谷がショートからマウンドへ。
• 酒井はピッチャーからサードへ。
• サードの寺西はショートへ回る。

清滝の野球は、守備が変わっても「顔つき」は変わらない。

マウンドに上がった磯谷。
だがいきなり、フォアボールで押し出し──4点目。
「このまま試合が決まってしまうかもしれない」
そんな空気が一瞬、清滝を飲みかけた。

…だが、ここからが違った。

次のバッター。
磯谷の腕がサイドからしなり、投じたのは横から曲がる変化球。
ググン、と曲がる球にバッターは反応できない──空振り三振！

1セアはマウンドから颯爽と駆け下りた。
小さくガッツポーズ。
チーム全体が、その背中に救われた瞬間だった。

◆3回表──打線は生き物。つながるから、恐ろしい。

1回、2回と流れをつかみかけては離され、それでも折れなかった清滝BBC。
そのバットたちは、3回表、4番から始まるこの攻撃でついに覚醒する。

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【4番・酒井】

打線の核。
追い込まれながらも、完璧なセンター前ヒット。
「やってくれるのはこの男」、そんな空気が清滝ベンチに満ちた。

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【5番・森下（モリシー）】

前の打席は三振。それでも腐らない。
落ち着いてボールを見極め、フォアボールで出塁。
ノーアウト1・2塁。ここから物語が動き始める。

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【6番・助っ人】

相手ピッチャー、少し力んだか──ここもフォアボール。
満塁、ノーアウト。
「長打なんかいらん。もうつながってる。」

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【7番・住岡】

清滝のビックリ箱。何が出るかわからない。
打球はライト方向へ高く舞う。
一瞬ホームランか、いやライトフライか……と思いきや、フェンス手前で落ちた！
ライト前のシングルヒット！

ただランナー1人しか返れず、この回1点目、7対4！

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【8番・りん】

チームとしては“なんとか事を起こしたい”場面。
気持ちが遅れたか、ここは迷いの残るスイングで三球三振。

1アウト満塁。それでも空気は沈まない。
続くのは──

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【9番・助っ人（52歳）】

この男が凄かった。
迷いゼロ。真ん中を強く叩いた打球はレフト前への弾丸ヒット！

ランナー1人が帰り、7対5。
まだまだノッてるぞ清滝。

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【1番・高橋】

この人はまたも初球打ち。
2番寺西がまだ準備できてない中、打球はセンターへズバッと抜ける！
タイムリーヒット！

さらに1点追加、7対6！
1点差！ベンチ総立ち！！

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【2番・寺西】

いい流れを切らない。いや、さらに強く繋ぐ。
打球はレフト前へきっちり運び、タイムリー！

7対7、ついに同点！
歓声というより「うおおおおおっ！！！」という雄叫び。

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【3番・磯谷】

1・2回で凡退した男の“借り返し”の時間。
満塁で回ってきたこの場面、狙った球をしっかり叩く。
セカンドゴロ。でも、これで勝ち越しの1点が入る！

8対7！ついに逆転！！

走者は1・3塁から磯谷スチールで2・3塁へ！

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【4番・酒井（この回2打席目）】

まさか回ってくるとは──
でも、回ってきたからにはやるだけ。
ライトへ鋭く弾き返したタイムリーヒット！！

走者2人が生還！
この回、7点目、スコアは10対7！

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【5番・森下】

ラストバッター、でも最後の大仕事。
フルスイングからの強烈なショートゴロ。
惜しくもアウトになったが、相手ショートが弾くほどの球威

🔥結果：この回だけで7得点、清滝ついに10対7の大逆転！！

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打線は流れ。
気合いじゃない、理屈じゃない。
「つなぐんだ」というチームの想いが、ひとつの回を爆発させた。

⚾️3回裏──「守備で終わる、清滝の野球。」

アナウンスが告げる。「この回が最終回です。」

先頭は9番。
ライト前ヒットかと思いきや、ライトの助っ人が神位置から送球！
ファースト・モリシーがキャッチして、
まさかのライトゴロ成立！

ベンチ総立ち。いける。今日、いける！

1番バッターには、磯谷の"遅球"でキュルキュルのセカンドゴロ。
住岡が冷静にさばいて、2アウト。

そして最後の打者。
再び“遅球”を放つ磯谷。
打球はまたもキュルキュルのセカンドゴロ。

住岡が一度弾くが、冷静に拾って一塁送球──アウト！！

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🎊Game Set：清滝 10 – 7 ニッポー

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【今日の勝利は、全員の手で握った。】
• 高橋：打点王は今日もタイムリーで存在感。
• 寺西：すべての打席に“意味”があった。
• 磯谷：マウンドで火消し。打席でも決勝打。
• 酒井：全打席出塁＋勝利を呼ぶ2打点！
• 森下：つないで、つないで、惜しくも最後は倒れるも内容十分。
• 住岡：難しい守備こなす！ビックリ箱の打撃。
• りん：低めを何度も止めた、まさに扇の要。
• 助っ人2人：全打席出塁＋守備でも爆発。感謝しかない。
• 松尾監督：骨折中でも采配。これぞ真のリーダー。
• 勝利の女神たち：また来きくれて、そして、また勝った。

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次回も、物語は続く。
ぬかるみでも、逆境でも、清滝はつなぐ。
勝つまで、野球するだけや。