試合結果詳細

春。眠たい。早い。寒くはない。でも眠たい。
集合時間は「え、今日って甲子園？オリンピック予選？」ってくらい早い。
そんな朝、俺たちは深北緑地に集まった。相手は大東ランボーズ。
名前が強い。「ランボー」に「ズ」付いてんねんぞ？ 全員筋肉ムキムキ確定やん。

【1回表：地獄の入り口】

試合開始。先頭三振！ナイスや！と思ったら…振り逃げ。
あれ？走ってる？走ってるよね？
続くバッター、バント！酒井、取った！投げた！ズレたぁぁぁ！
ノーアウト二三塁。まだ試合開始2分。体感、5失点確定。

次、フォアボールで満塁。4番の打球、ライト頭上！「あ、それ入った？」
→ タイムリー。さらにヒット＆エラー。初回で4点。胃に悪い。

【1回裏：住岡、爆誕】

この空気を変えたのが住岡。
打席でのオーラ、「今日の住岡は、違う…！」って誰も思ってなかったのに、
いきなりセンターオーバーのランニングホームラン。
ベンチ総立ち。「すーみおっか！すーみおっか！」コール発生。
突然覚醒、マンガの主人公みたいな立ち上がり。しかも今季ノーヒット男やったのに。

【2回裏：下位打線大暴れ】

森下→フォアボール
安井→ヒット
川口→ヒット
寺西→エラー誘発の達人
こみ→たぶんアウト
高橋→左中間ぶち抜き2ベース
住岡→また出た
磯谷→タイムリー

これで一気に同点。しかも全員イキイキしてる。
もうベンチ、「次誰打っても打つやん！」の大盛り上がり。

【3回裏：逆転したぁあ！】

相手のエラーとプレッシャーに乗じて、2点追加！逆転や！
「俺たち、もしかして…強い？」と全員が思いかけた3秒後――

【4回表：ランボーズ、再起動】

相手のクリーンアップ、やっぱり強い。2点返されて7対7。
まさにシーソーゲーム。胃が休まらん試合展開。

ここで磯谷がマウンドへ。
「え、ショートやったやんな？」「投げれるん？」という空気。
でも、やったんよ。ちゃんと投げ切ったんよ。

最大の見せ場は、ショート後方に上がったフライ。
磯谷：「無理やー！」
ユウジ：「俺やー！」
→ ユウジ、爆速ランニングキャッチ。芝、裂けた。心、震えた。
この瞬間、全員の中の“優勝候補ユウジ”が爆誕。

【最終回4回裏：酒井の打球、キャッチャー直撃】

4番酒井の打席、ファールがキャッチャーの股間に直撃。
キャッチャー、うずくまる。試合、5分中断。
ベンチ：「大丈夫！？ …ていうかこの5分、デカくね？」
→ この“時間稼ぎ”が運命を変えた。

【勝ち越し劇場開幕】

磯谷が出塁→盗塁。
酒井、惜しくもアウト。
そして森下がレフト前にクリーンヒット！！
磯谷、三塁回ってホームへ突入。
レフト、肩強い！キャッチャー、交代直後！

滑り込む磯谷――
セーーーーフ！！！
グラウンド中に「うおおおおおおお！」が響いた瞬間やった。

【ラスト：こみ vs 時間】

こみが打席に入る。
ベンチが見つめる中、「ピピピピピッ」試合終了のホイッスル。
残り3秒。もう、笑うしかない。ギリギリすぎる。

【試合結果：8対7 勝利】

今日のヒーロー
→ 住岡（謎の覚醒）
→ 磯谷（投打躍動）
→ ユウジ（芝を破壊）
→ 森下（勝ち越し打）
→ 酒井（股間にフルスイング）
→ こみ（タイムアップ被害者）

【来週】

準決＆決勝のダブルヘッダー。ピッチャーおらん。キャッチャーもおらん。
どうすんの？誰が投げんの！？全員でジャンケン！？

でも、今日勝ったこの空気なら、なんでもいける気がする。
だって俺たち、草野球という名のエンタメ集団やから。

あと…グッチのお父さん、高橋と酒井の彼女たちの応援。
その声が、どれだけ心強かったか。
野球は、9人でするもんちゃう。
もっといろんな“誰かの思い”と一緒に戦うものや。